JWMS倫理要綱 

令和2年9月5日理事会制定


はじめに


 野生鳥獣は、人間の生活や文化にも大きな利益をもたらしてきたが、歴史的にもしばしば人間との間に軋轢を生じてきた。現代社会においても、温暖化の進行や生態系の改変、あるいは人間社会における産業構造や生活様式の変化を背景として、「鳥獣害」は大きな社会問題になっている。

 鳥獣管理技術者には、軋轢を解消し、人と野生鳥獣の関係をより良いものにする責任と役割が期待されている。しかし、鳥獣管理技術に関わる科学的な知識や技術は十分に普及しているとは言いがたく、各所で被害の拡大や事故、あるいは生命に対する不適切な扱いが行われ、専門家としての信用や役割が十分に発揮されていないことは誠に残念である。

 一般社団法人鳥獣管理技術協会倫理要綱は、協会が認定する鳥獣管理士が遵守すべき行動規範を示すことで、協会が認定する鳥獣管理士が、鳥獣管理の専門家として、持続可能な地域社会の構築に向けて活躍するための土台となる、社会との約束である

 

 

倫理要綱


 協会が認定する鳥獣管理士は、鳥獣管理にかかわる知識や技術が、地域の産業、生態系、生活に大きな影響を与えることを認識し、責任を持って行動する。

 鳥獣管理士は、野生鳥獣が生態系の重要な構成要素であることを理解し、鳥獣管理の実践を通じて地域社会の安全、健康、福利に貢献する使命があることを念頭に、責任ある行動をする。鳥獣管理に関わる技術者として、社会から信頼を得るため、日頃から知識や専門技術の研鑽に努め、この倫理要綱を遵守する。


1.鳥獣管理士の使命


 鳥獣管理士は、鳥獣管理技術者としての使命と責任を自覚し、地域の安全、健康及び福利の向上に貢献するため、最善を尽くす。



2.地域社会への責任


 鳥獣管理士は、鳥獣管理に関わる知識や技術の行使が、地域社会に与える影響を認識し、責任を持って行動する。



3.野生鳥獣への尊厳


 鳥獣管理士は、野生鳥獣が生命体であることを十分に理解し、生命に対する尊厳を忘れない。



4.公正と誠実


 鳥獣管理士は、鳥獣管理に関わる科学的な知識と技術、公正な判断に基づき、誠実に行動する。



5.機密の保持


 鳥獣管理士は、業務上知り得た秘密を、私的に利用したり漏らしたりしない。



6.技術水準の確保


 鳥獣管理士は、鳥獣対策の多様性に鑑み、自身の知識や技術の及ばない課題には携わらない。



7.信用の確保


 鳥獣管理士は、地域社会の信頼を裏切る行為を行わず、野生鳥獣に対しても不適切な扱いをしない。



8.信頼の醸成


 鳥獣管理士は、相互の立場を尊重して協力することで、信頼の醸成に努める。



9.法令や慣習等の遵守


 鳥獣管理士は、関連する法規を遵守するとともに、地域の慣習や自然的・文化的価値を尊重する。



10.継続的な研鑽


 鳥獣管理士は、鳥獣管理に関わる知識や技術について研鑽を積むとともに、知識や技術を必要とする後進の育成にも配慮する。